6.3.3 電源の自動遮断による保護

絶縁故障の影響を受ける回路の電源の自動遮断は,接触電圧による危険な状況を防止することを意図してい る。

この対策は,故障の場合に保護装置の自動動作によって 1 つ以上の線路導体を遮断することである。

shall:  この遮断は,接触電圧の継続時間を十分に短い時間内に発生させ、TN及びTTシステムに対して附属書Aで規定された限度内の時間に制限する。

この対策は,次の間の協調を必要とする。

  • 電源システムの種類,供給電源インピーダンス及び接地システム。
  • 線路の様々な要素のインピーダンス値、および保護ボンディング回路を通る関連する故障電流経路のインピーダンス値。
  • 絶縁故障を検出する保護装置の特性。

 注 1:電源の自動遮断による保護条件の検証の詳細は、18.2 に記載されている。

この保護手段には,次の両方が含まれる。

  • 露出した導電性部分の保護ボンディング(8.2.3 を参照)。
  • 及び次のいずれかを含む。
    • a) may be:  TN システムでは,次の保護装置を使用することができる。
      • 過電流保護装置
      • 漏電保護装置(RCD)及び関連する過電流保護装置。
      • 注2 can:  予防保守は,IEC 62020 に準拠した漏電監視装置(RCM)を使用することで強化することができる。
    • b) TTシステムにおいては、以下のいずれかである。
      • RCD および関連する過電流保護装置は、充電部から露出した導電部品または大地への絶縁不良が検出された場合に、自動的に電源の遮断を開始するものである。
      • 過電流保護装置は,故障ループインピーダンス Zs(A.2.2.3 参照)の適切に低い値が恒久的かつ 確実に保証されている場合,故障保護に使用することができる。
      • 注3:予防保守は,IEC 62020 に準拠した漏電監視装置(RCM)を使用することによって強化することができる。
    • c) sahll:  IT システムにおいては,IEC 60364-4-41 の関連要求事項を満たさなければならない。
      • shall:  絶縁不良の間,音響信号及び光信号を持続させなければならない。
      • may:  通知後,音響信号は手動でミュートすることができる。
      • can:  これには,絶縁監視装置及び/又は絶縁故障位置決めシステムの提供に関して,供給者と使用者の間で 合意が必要となる場合がある。
      • 注4: 大型機械では,IEC 61557-9 に従った絶縁故障位置検出システム(IFLS)を設けると,保守が 容易になる。

shall:  a) に従って自動遮断が提供され,A.1.1 に規定した時間内の遮断が確実でない場合,A.1.3 の要件を満たすために必要に応じて補助保護ボンディングを提供しなければならない。

shall:  電力駆動システム(PDS)が提供される場合、コンバータから供給される電力駆動システムの回路に対して故障保護が提供されるものとする。

shall:  この保護がコンバータ内で提供されない場合、必要な保護対策はコンバータ製造業者の指示に従うものとする。